関節リウマチ
関節リウマチは、全身の関節に炎症が起きて関節が壊れてします病気です。その経過中には、関節以外の臓器にも病変がみられるため全身性疾患ともいえます。この病気を起こす原因は、まだはっきり分かっていませんが、(1)遺伝や細菌・ウイルスの感染 (2) 免疫学的要因 (3)環境因子 の三つが重要視されています。
症状・診断
初期の最も多くみられる症状は、朝目覚めた時の関節の「こわばり」です。同時に関節の痛みと腫れがみられますが、多くは対称性で、よく侵される関節は手指・手・足ゆび・ 足・肘・膝・肩などの関節です。
炎症を起こした関節は、炎症が関節周囲にも波及して軟部組織の腫れ、腱鞘、嚢腫などがみられ、発赤は圧痛もみられます。進行すると手や指の関節が破壊されて変形し、脱臼も起こして変形はさらにひどくなります。最終的には関節は動かなくなります。
この病気は、関節症状が強いのですが、脱力感、倦怠感、微熱など全身症状も伴います。
血液検査では、赤沈亢進、CRP陽性、貧血、白血球増加などがみられるほか、80%がリウマチ因子陽性となります。
治療
- 先ずは、安静と運動のバランス、保温や栄養のバランス、病気の特徴と性質を知ることから始まります。その上薬物療法、理学療法、手術療法が行われます。薬物療法では、鎮痛消炎剤・ステロイド剤・免疫調節剤などが痛みや炎症を抑えるために使われます。関節炎に対してはステロイドの関節内注射が行われます。
理学療法では、温熱療法・水治療法や筋肉強化訓練を行って関節の機能を維持するように努めます。また、炎症のある関節に装具を利用して一時的に固定して、痛みや腫れを減らし、変形の進行を抑えます。
手術療法では、関節の腫脹が続く場合に、関節内の炎症組織の切除が行われます。関節の破壊が進行して痛みが薬で抑えられなくなり、日常生活に支障きたすようになれば、最後の手段として人工関節に置換する方法があります。