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 骨折の部位と手当て、 外傷のある開放骨折、 脊椎圧迫骨折
 大腿骨頸部骨折、 橈骨下端部骨折、 上腕骨顆上骨折

 骨折にはいろいろな分類法がありますが、骨折の原因別に、次の3つに分けられます。

 (1)外傷によって生じる外傷性骨折、(2)骨腫瘍や骨髄炎などの骨の病気があるため に、ひじょうに軽微な外力によって骨が折れる病的骨折、(3)比較的弱い外力がくり返 し同じ場所に加えられて発生する疲労骨折。この疲労骨折は、スポーツのトレーニン グのように、長時間同じ動作・運動をくり返すことで、よく発生するものです。

 また、骨が折れた状態によって閉鎖骨折(皮下骨折あるいは単純骨折)と開放骨折 (複雑骨折)に分けられます。そして、骨折はこれらの分類によって治療の過程が大きく異なるのです。開放骨折とは、骨折した骨が皮膚まで達している骨折、つまり傷のある骨折で、この骨折では、化膿菌の感染の機会が多くなります。初期の治療を誤ると化膿性骨髄炎を発生し、治療に難渋することになります。骨癒合が得られたとしても病的骨折を生じる原因にもなります。

 また、骨折は年齢による特徴もみられます。小児の骨折、成人の骨折、高齢者の骨折と3つの年齢層に区別しますと、小児骨折の特徴は、転位(骨折のずれ)の多少はあまり問題にならず、修復機転が早いものです。しかし、骨端成長軟骨板が損傷されると、成長とともに変形が発生するため、適切な治療が必要です。

 成人では、スポーツ外傷、交通事故、労働災害にあう機会が多く、多発骨折(四肢の数か所に同時骨折が生ずる)や、開放骨折の頻度が高くなります。高齢者では、老人性骨萎縮が基盤となり、骨萎縮の好発部位に相当して、椎体の圧迫骨折、大腿骨頸部骨折、上腕骨頸部骨折、橈骨下端部骨折が頻発します。

 一般的に外傷性の閉鎖骨折の骨癒合が得られる期間は、肋骨で4週、腕の骨で5 〜7週、下腿の骨で8週、大腿の骨で8〜12週です。そして骨本来の強度まで回復するには、さらに期間を要するものなのです。


骨折の部位と手当て

 骨の救急処置は、まずショックの予防や、その治療に対する全身状態の配慮を行なうことが大切です。ついで適当な副子(手近にある板や杖など)で、骨折部位の上と下の関節を含めて救急固定を行ないます。この救急固定は、骨折部の動揺による痛みを防ぎ、骨折部の転位を少なくし、また鋭い骨折片による周囲の血管・神経・筋肉・皮膚の二次的損傷を防ぐのです。救急固定を行なって病院に移送することが理想で す。


外傷のある開放骨折

 「化膿性骨髄炎」の項で述べましたように、骨は皮膚や筋肉におおわれ無菌なのです が、開放骨折では骨への細菌感染の危険があります。感染を生ずると化膿性骨髄炎をおこし、骨の癒合が遅れるばかりでなく、土砂などで汚染されると、恐ろしい破傷風やガス壊疽の合併により大事に至ることもあります。

 受傷後6〜8時間以内に、開放創の洗浄や異物の除去を行ない、破傷風の予防注射を行なう必要があります。骨折部位に外傷があるときには、救急固定を行ない、一 刻も早く整形外科を受診することです。


脊椎圧迫骨折

 脊椎圧迫骨折は、頸椎では、水泳の飛び込みの失敗やラグビーのスクラムや柔道・ レスリング中の事故などのスポーツ外傷で、胸腰椎では、高所からの墜落で殿部を強打したり、重量物の下敷きによる腰部打撃で多く発生するものです。高齢者では脊椎の骨粗鬆症のために、わずかな外力や重い物をもち上げるなど日常動作で、また大きなせきでも圧迫骨折をおこすことがあります。

 この圧迫骨折は、骨片や硬膜外血腫によって脊髄の圧迫、または脊髄自体の損傷により脊髄麻痺症状が現われるおそれもあります。この脊髄麻痺が単なる圧迫による血行障害や外傷性浮腫によるものであるならば、日時の経過とともに回復するものですが、脊髄がすりへってしまうと、麻痺の回復の見込みはなく、永久麻痺の状態となってしまいます。したがって、脊椎圧迫骨折が疑われるような外傷では、その患者を病院へ移送する際、脊柱をひねったり、曲げたりしないような注意が大切です。


大腿骨頸部骨折

 高齢者にひじょうに多くみられる代表的な骨折です。とくに骨粗鬆症の多い高齢の女性が転倒して立てなくなったときには、この骨折を疑ってもよいでしょう。大腿骨頸部骨折をきっかけとして歩行できなくなり、絶対安静のために老人ぼけが急激に進行 したり、肺炎などの合併症で死亡率も高くなります。また、骨折の部位や骨折線の角度によって、骨頭壊死を生じたり、骨癒合が得られなかったりすることが多く、骨のもろさのために強固な内固定が困難なこともあり、治療法がむずかしい点があるので す。

 治療は、高齢者を3〜4か月も臥床させると合併症をひきおこす危険性が高くなるため、全身状態の許すかぎり、手術的に内固定、あるいは人工骨頭置換術を行ない、 早期に離床をはかることが原則です。


橈骨下端部骨折

 ひじょうに多い骨折で、高齢者に頻発し、手をついて倒れたときにおこします。小児 では骨端離解をおこすことがあります。この橈骨下端部骨折は、定型的な骨片の転位をおこすもので、手関節の部分がフォーク状の変形をきたすので診断は容易です。

 骨折後すぐであれば、固定したりして徒手整復が容易ですので、すぐに整形外科への受診がすすめられます。


上腕骨顆上骨折

 上腕骨下端(肘に近い部分)の骨折で、肘関節部でもっとも頻度が高く、成人よりも 子どもに多くみられます。子どもが鉄棒から落ちたりして、肘関節をのばして手をつい たときにおこりやすいのです。この部位に骨折がおこると、肘関節部は関節内や周囲組織の出血と転位で、緊張した紡錘形の痛みのある腫脹を生じます。そして、無謀な徒手整復や強い圧迫固定は、肘関節部の骨折の最大の合併症であり、永久に手指の機能の回復がみられなくなるフォルクマン拘縮をおこす危険があります。

 フォルクマン拘縮とは、上腕骨の下端骨折後に、ときに過度の腫脹が発生し、血液循環障害がおこることです。そして、この腫脹は腕と手全体にわたり、はげしい痛みをともないます。橈骨動脈の拍動は触れず、手は冷たく蒼白、知覚鈍麻を生じます。これらの症状を見逃すと2〜3時間で前腕筋は壊死し、永久的に手指が固まって動かなくなったりします。

 子どもが肘関節周囲をはらし、痛がるときには適当な副子固定をあて、ただちに整形外科を受診することです。

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