合指症・多指症

合指症・多指症とは、手(足)の指に生まれつきみられる発生頻度の高い形態異常です。合指症は隣接指が種々の程度に癒合した状態であり、多指症は5本の指のほかに指数が過剰な状態です。合指症には、骨、爪まで癒合した骨性合指症や、表面の皮膚だけが癒合した皮膚性癒合、指先まで癒合がみられる完全合指症、指の間に水かきがあるようなごく軽い不完全合指症などがあります。多指症も、指1本全体が過剰なものから、指の一部が過剰なものまでさまざまです。手の形態異常のうちでは、親指の多指がもっとも頻度の高いものです。

治療

合指症は、手術で分離すればよいというものではなく、分離部の皮膚欠損をどうするか、変形をいかに少なくするかなどが大切です。骨性合指症は、短い指にひかれて長い指に屈曲変形を生ずるため、骨性癒合部の分離はできるだけ早い時期に行なう必要があるといわれ、1歳前後で行なわれることが多いようです。

多指症は、過剰な指を切除して指数のみを合わせて、その場をとりつくろうという安 易な考えは禁物です。方法や時期をあやまって切除すれば、後日かならず二次変形をおこし、もはや整容的、機能的に満足できる指をつくることは不可能となるからです。 少なくとも生後8~12か月の間観察し、もっとも適した術式を選択しなければなりません。